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(2001/09/21)

性(さが) (9月12日/六本木PIT INN)

2001年9月12日 "平井景Special Jazz Unit" at 六本木PIT INN


メンバー
太田恵資 (Violin)
原田芳宏 (Steel Pan)
村井秀清 (Keyboards,Piano)
越田太郎丸 (Guitar)
平石カツミ (Bass)
海沼正利 (Percussions)
平井景 (Drums)

演奏曲目
1部)
1.Hey Jude (arranged by K.Hirai)
2.ガラスとれんがの街 (K.Hirai)
3.リンゴ追分 (arranged by K.Hirai)
4.Hot Milk Tea (K.Hirai)
5.Buy Today's Honey By Tomorrow's Money (K.Hirai)
2部)
1.ボロディンのダッタン人の踊り (arranged by S.Murai)
2.SuperCar (K.Hirai)
3.I'm In The Street (K.Hirai)
4.Freedom Jazz Dance (arranged by K.Hirai)
アンコール)
When I Left Home (K.Hirai)

見よ!このユニークな編成!

今回は村井秀清さんと私を除き、結果的には普段あまり六本木ピットインでは出演されていないミュージシャンに集まってもらいました。

ブッキングする時点での私の思惑はこうだ。

まず、私のオリジナル曲と私がアレンジした曲を中心に選曲したい。
皆さん、とてもお忙しいので、リハーサルは当日のサウンドチェックの時間で行うしかない。
そこで、昔から私と共演する機会も多く、私の曲を理解してくれている
村井秀清さんと平石カツミさんに バンドの核になってもらおう。
村井さんはピアノの音もきれいだし、キーボードを駆使してのバンド全体のサポートも絶品。
同じくバンド全体のサウンドを把握し、骨太のグルーヴを送り出してくれる
平石さん。このお二人がいれば、安心だ。

明るくにぎやかなサウンド、楽しい雰囲気、しっとりした曲も暗くならない感じが欲しかったので、 パーカッションには私が絶大なる信頼を置く海沼正利さん、そして特にここ数年共演回数の多いゴキゲンなスティールパン奏者の原田芳宏さんにお願いした。

私はメロディーを大切にした音楽が好きで、特に今回はヴァイオリンの
音色があると とても面白いユニークなものになりそうな気がした。
以前、海沼さんと共演されていた太田恵資さんのヴァイオリンに
白羽の矢が当たった。
海沼さんに連絡先を教えてもらいコンタクトをとったところ、 太田さんには
快諾していただき、今回が私とは初共演になった。

あと、このメンバー編成で考えるとロックやフュージョン寄りの
エレクトリックなギターではないな。
そこでボサノバ方面のアコースティック・ギターも素晴らしく、
かつ楽しい雰囲気を出してくれる越田太郎丸くん (「たろま」と読む) に
声をかけた。
彼とは同い年で、お互い向上心をもって頑張る、いわば同志である。

またしても気が付けば、たろま君以外年上のメンバーばかり。
いつも私がメンバーを集めると年上の人ばかりになることが多い。
俺って、『M』なのかなぁ。(笑)

先日9月9日の調布GINZでの"平井景Special Jazz Unit"もそうですが、
事前に選曲して譜面を郵送しました。
当日までに予習しておいてもらえれば・・・ということで。
今月はライブ2本分、しかも、両日とも全く違うメンバーということで
結構な労働でした。(汗)
何人かには手渡ししましたが、郵送する分には
「確認の為、この資料が届きましたら、お手数ですが御一報ください。」
というメモを入れておきます。

まぁ、何と言いますかミュージシャンは普通の社会生活はきっと出来ませんね、私も含めて。(笑)
予想通り、誰からも連絡はきませんでした。ハハハハ
「親の心、子知らず」ならぬ「バンマスの心、メンバー知らず」

さてさて、12日の当日のリハーサル。
全員で音を出した瞬間、私の思惑通り!見事なサウンド!!

私のオリジナル曲などは、ピアノの村井さんもよく知っており
そのバッチリのサウンドにお互いニコッと微笑んだのでした。

そのライブ本番は
ヴァイオリンを除く6人での「Hey Jude」から始まる。
レゲエのリズムにアレンジしたもので、
カリブの楽器スティールパンが鳴り響く。
ビートルズは本当にいい曲をたくさん残していることを再確認。

続いてヴァイオリンの太田さん登場。
「ガラスとれんがの街」の流れるような3拍子のリズムに
物悲しげなメロディー。ヴァイオリンの音色が感動的。

ドロドロしたファンクにアレンジされた「リンゴ追分」で盛り上がった後、
ガラっと曲調も変わり「Hot Milk Tea」
『プリチィー(笑)で可愛らしく』という私の要望で、軽いボサノヴァの雰囲気。
ギターのたろま君、本領発揮!(笑)

前半最後は16ビートのサンバ調で演奏した
「Buy Today's Honey By Tomorrow's Money」で盛り上がる。
ここまでソロが少なかった村井秀清、切れたように弾きまくる!
お客さんも思わず大拍手!

前半ステージはメンバーもお客さんの雰囲気も良く、
わたくし、曲間でしゃべりすぎてしまいました。
たろま君と長々と対話形式でしゃべっていると
太田さんが隠し持っていた「メガホン」(なんと!)で
『君達、いつまでしゃべっているのですか』
とつっこみが入ったり。(笑)

休憩後、後半ステージは「ボロディンのダッタン人の踊り」から。
メロディーの担当がピアノからギターへ、そしてヴァイオリンへと受け渡される流れが、 この曲調にピッタリはまった。ソロパートも含めてダイナミクスのある演奏。

そして、常連さんにはお馴染みの「SuperCar」
これは私が以前乗っていた超ポンコツの車をイメージして作った曲。
あえて、愛着を込めてこういう曲名にしている。
毎回いろんな「壊れ具合」を楽しめるのだが、
今回も「えっちら、おっちら」走り始め、煙を吐いたり突然快調になったり、
楽しい演奏になった。

続いては「I'm In The Street」
これはニューヨークを旅していた時の、雑踏にまみれて寂しかった気持ちや
嬉しかったことを曲に込めたもの。
イメージは街中を一人で歩いている感じ。
この日は、NYがテロ事件に巻き込まれた翌日だったこともあり、
いろんなNYの風景を思い出していた。

そして本編は「Freedom Jazz Dance」を最後に持ってきた。
変わったメロディーの曲でいろんなやり方ができるのだが、
今回はパーカッションとドラムのソロを大フィーチャー!

お客さんの声援をいただき、アンコールとして
「When I Left Home」を最後に演奏。
これは私の故郷・奈良を出て上京した時をイメージしている。
メロディーはスティールパンにとってもらったが、
予想以上にいい感じに思えた。
バックで自由に雰囲気を出してもらったヴァイオリンも素晴らしい。

というわけで、メンバー間で終始「アイ・コンタクト」のある
非常に楽しい雰囲気で演奏できました。

お客さんの中には、
『ヴァイオリンのメロディーに涙が出た』という嬉しいお言葉も。

ここで、
自分のことは棚に上げて、ウンチクをたれる
コーナァァーー!!!

今回も皆さん、本当に素晴らしい演奏でしたよね。
各自のアドリブ・ソロも盛り上がったり聴かせたり。

曲のメロディーやソロ・パートを担当する部分では、
その楽器の人が前面に出て、ある意味目立たなくてはなりません。
その間は「歌手」と同じ役割なわけですよ。

ただ、どの場面でも
誰かが素晴らしい演奏をした時、
そのバックには必ず素晴らしいサポートがあるはず。

だから、その人が引き立つし、
またその人はそのバックから素晴らしいものを引き出されている。

サッカーなどのスポーツでも、
一人ではゴールを決められないでしょ。
いろんな流れがあって、全ての選手の動きが連動したときゴールできる。
全員がボールに向かって集まってダンゴになったら、幼稚な感じですよね。

複数の人間が見せる「踊り」にしても、
左右に広がったり、中央にかたまったり、前に出る人がいれば後ろに下がる人がいる。 そういう時、とても立体的な感じになる。

音場を空間に見たてると、
誰かが前面に出たら、その人を引き立たせるべく誰かが下がる。
「お前が上に行くなら、俺は下にいる」とか、
動き回る人がいれば、じっとしていることも有効。
合いの手を入れたり、掛け合いになったり。

こんなことを音で語りあって
その場で音楽を作っていけたときが最高に楽しい。

ベテランの"Great"なミュージシャンが「グレート」たる由縁は
こういうことがどれ程分かっているのか、というところにあると思う。

もちろん生身の人間ですから、
お互い上手く歯車が合わないときもあるけど。(笑)
私は上記のような意味で「グレート」なミュージシャンになりたいと
常々思っているのです。

これには、優れたミュージシャンとたくさん演奏する 経験も、
表現したい音を瞬時に出せる熟練したも必要なので
先は深くて遠いです。

今回のライブも私にとってとても良い経験となりました。

ぶっちゃけて言うと、
自分で主宰するライブは、事務的なこととか演奏以前に
やらなくてはいけないことが多くて大変なので、
いつも日が近くなると
やるなんて言わなければ良かった〜・・・』
と後悔したりもします。(笑)

最近は、いろんなところで「一人のドラマー」としてバンドに呼ばれたい
という気持ちも強いので、自らがリーダーとしてライブを行う頻度は
減らしておりますが、
しかーし!
今回のように、いいライブの後は『やってよかった』と思うし、
『また、何かやりたいなぁ・・』という気持ちがムクムクと湧き上がってくる。
あぁぁ〜、これは性(さが) なのかぁーーー!!

お越し頂いたお客さま方、ライブを盛り上げていただき
本当にありがとうございました!!
またきっと何かやってしまうと思いますので、
その時はまた是非お集まりくださいね!

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