ドラマーで作曲家、平井景 Official Website

『SORA』 / 平井景

2009年10月20日発売
Bright Sun's Record HIR0067 ※単品は現在在庫切れです

【DVD付き】デラックス版
2013年10月19日発売
Bright Sun's Record BRSR-CD001

『SORA』 / 平井景

ジャズ×クラシック・クロスオーバー の感動作

ドラムを操る“メロディ・メーカー”として、 アーティスト・平井景を世に知らしめた渾身のデビューアルバム

「平井景」の代表作と言えば、まずはコレ!  “ドラマー”や“ジャズ”といった枠を超えた、 平井景の幅広い音楽性をあますところなく詰め込んだ一枚。

"EMI Music"のコンピレーションCDにも採用された「月の虹」のほか、 スピッツ「ロビンソン」はラテン・カリプソの斬新なアレンジ

2013年秋、オリジナルCD『SORA』に、メイキング映像作品『In His Story』と 新ブックレットが付いたデラックス版が新登場!


ご購入方法

●公式オンラインストアで販売中
→Bright Sun's Record
(当ブライトサンズレコード社のオンラインショップでは、各種決済(カード、スマホ、コンビニ、PayPal等)、銀行振込にも対応しています。海外への配送(EMS)も可能)

●そのほか、全国のCDショップ、通販サイトで取り扱い中。(アマゾン、タワーレコードなど)

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参加ミュージシャン

  • 平井景:Drums, Percussions, Melodion, Andes25
  • NAOTO:Violin and Strings
  • 榊原大:Piano
  • 村上聖:Electric and Acoustic Basses / 6 String Bass Solo on "SORA"
  • 原田芳宏:Steel Pans

  プロデューサー:平井景
  レコーディング・エンジニア:赤川新一 (STRIP Inc.)
  レコーディング・スタジオ:CRESCENTE STUDIO、STRIP STUDIO


収録曲

  1. Hameln -ハーメルン-
  2. 月の虹 -Moonbow-
  3. anytime
  4. ロビンソン (from SPITZ)
  5. 山月伝 / Sangetsu-Den
  6. 夜会 / Yakai
  7. Holiday
  8. TOOL BOX
  9. SORA -空-

※クリックで試聴できます(MP3ファイル)

All songs written and arranged by Kay Hirai,
except "Robinson" written by Masamune Kusano (from SPITZ).

スペシャルエディション版には、『SORA』のレコーディング現場やリハーサル風景を収録したメイキング映像DVD『In His Story』が付属します。


ライナーノーツ

by 島田奈央子(音楽ライター)

平井景がスティックを持ったのは、11歳。でもそれは菜箸で椅子を叩き始めた時のこと。実際にドラムを叩いたのは13歳の時で、後に自分のドラムセットを手に入れたのは、父親に第一志望の高校への進学を条件に買ってもらってからだ。

印象的なワインレッド・カラーでコーティングされた、派手なPearl製のドラムセット。実は現在、彼が使用しているドラムもその当時からのものが多い。

ジャズライブではあまり見かけない色なので、ライブハウスでもかなり目立っている。

「ただ綺麗だとか整っているとかじゃなくて、どこかにアクがあることで、それがより美しいものに感じられる」と普段から語る彼は、ドラムの色にもそのこだわりを取り入れているようだ。

そのアクのある美しさは、彼自身の音楽性にも繋がる。


ジャズ、ソウル、ワールド・ミュージック、ポップスなど幅広い音楽に精通し、時にジャズシーンの中では異端児的な発想と音で、周囲を驚かせることがある。

例えば、彼が現在レギュラーバンドとして腰を据えている、ピアノ・トリオの”秀景満”(村井秀清Piano / 平井景Drums / 須藤満 Bass)でも、彼らしいスタイルが浮き彫りにされている。

ヨーロッパ的な香りを漂わすピアノの旋律に、爽快感溢れる細やかなベースタッチ。その中で平井景は、ズシっと骨まで響くような深い音でサウンド全体を太くしたり、軽快なスティックさばきで歌のようなメロディを奏でたりと、スケールの大きなドラミングでアクを加えながら、色彩豊かで奥行きのある音世界を繰り広げている。

そんな彼のドラムからは、時に色々な風景が見えてくる。それは懐かしくもあり、切なくもあり、一瞬の何気ない風景だったりもする。

その音楽性は、彼が描く楽曲にも映しだされているのだ。


曲のインスピレーションは、鼻歌から生まれるものが多い。散歩をしながら、空を見上げながら、海を見つめながら……。

あえて楽器から音を模索するのではなく、心に浮かんでくる音を一つひとつ必死で紡ぎながら、曲へと昇華していく。そこから生まれたメロディはとても強力であり、独創的で面白い。

そんな強烈な印象を残すメロディを、更に創造性に溢れたアレンジで表現する。楽器の編成しかり、一曲の中でテンポが変化する組曲のような構成しかり、ストーリーと空気感とメロディを一つひとつていねいに作りながら、国もジャンルもボーダレスな平井景の世界を描き上げている。

そして遂に、そんな彼の作品が一枚のアルバムとなった。

この初リーダー作では、数ある楽曲の中でも、彼が大好きな”空”を意識したものが中心となっている。 突き抜けるような青い空もあり、夜の静かな空、おどろおどろしい空もある。 また逆に、空から見える地上の景色や人間模様も表わしているものもある。

そして今回、このアルバムに参加している選りすぐりのメンバーたちも、メロディとアンサンブルを大事にしながら、活き活きとした演奏を繰り広げている


平井景サウンドに華やかさをもたらし、細やかな表現力で聴かせるのは、ドラマ「のだめカンタービレ」に出演し、「ポルノグラフティ」のレギュラー・サポートメンバーもつとめる人気のヴァイオリニスト、NAOTO。 伝説のバンド”G-CLEF”のメンバーで、現在TVや映画の音楽を担当するなど、多彩な実績を残すピアニストの榊原大は、大胆でゴージャス、美しい旋律で、うっとりとさせてくれる。 バンド・サウンドの全体を支え、強力なメロディーライン、感動のベース・ソロを聴かせるのは、POPSやジャズなどで活躍中のベーシスト、村上聖。 また、スティールパン奏者の第一人者であり、40人近い編成の「スティールパン・オーケストラ」などを率いる原田芳宏は、サウンドに奥行きと広がりを与え、アウトドアな世界を演出している。

そして、このバンドの舵をとり、ドラマティックな大海原へと導くのは、ドラマーの平井景。 リーダーアルバムにも関わらず、ドラム・ソロをあえて入れていないのは、まさに彼らしい決断。1音1音に説得力を持たせ、必要なところに必要な音を潔く入れている。 また今回は、ドラム以外にも、パーカッションや鍵盤ハーモニカなどを担当し、スケールの大きな作品を作り上げている。


このアルバムはジャズでもあり、ジャズでもない。クラシックでもあり、クラシックでもない。ただただ、心が揺さぶられる。

惜しみなくエネルギーを注いで作られたこのアルバムは、これから先の音楽シーンを変えていくことだろう。


平井景 本人による楽曲コメント

Hameln -ハーメルン- ♪試聴(MP3)
イソップ物語「ハーメルンの笛吹男」をご存知ですか? 街中の子供たちが楽しそうに踊り歩きながら消え行った先は、幸せの国だったんだろうか。何だろう、何なんだろう。幼い頃からずっと記憶に残る、なんとも含みのあるストーリー。レコーディング用に作り始めたこのメロディを口ずさんでいると、ふとその話が浮かんできました。
月の虹 ♪試聴(MP3)
夜空を見上げると、満月に大きくて幻想的な光の輪がかかっていることがあります。「月の虹!」という言葉が降りてきて、その感動を曲にしました。後で調べてみると、月の光から生まれる虹“Moonbow”と呼ばれる別の自然現象があるらしい。まだ見ぬ“Moonbow”への憧れも込めてのレコーディングとなりました。
anytime ♪試聴(MP3)
ツアー中、一人で海辺を散歩していたら、こんな優しいメロディが生まれました。大好きな海と空。「いつでもそこにいてくれる。。」だから“anytime”
ロビンソン(from“スピッツ”) ♪試聴(MP3)
「無人島で聞きたい名曲」というテーマでコンサートをする機会があり、無人島→漂流→ロビンソン??という単純な発想からでしたが、大好きな曲だったのでとても楽しく編曲させてもらいました。ここでは、ドラム缶からできたカリブ海の楽器“スティールパン”の名手・原田芳宏さんをフィーチャー。
山月伝 ♪試聴(MP3)
高校の現代文で習った中島敦の「山月記」。あまりに切なく苦しく、衝撃的でした。“臆病な自尊心”と“尊大な羞恥心”という言葉は心に突き刺さりました。“人食い虎が月に吠える水墨画”を思い描きがら作曲。榊原大さんのフリーなピアノ・ソロが強烈にイメージをかき立てます。
夜会 ♪試聴(MP3)
穏やかで静かな夜にも、耳を澄ませばいろんな音が聞こえてきます。「波の音」「風の音」「雨音」その隙間から聞こえる「虫の音」たち。そして「凪(なぎ)た海面に映る満月」「流れる雲」「すみわたる空気」「木や土の匂い」。 自然が奏でるそれらは、まるで夜の音楽会。鍵盤ハーモニカ、ベース、ピアノ、ヴァイオリンが次々とメロディを奏で、ドラマチックなストーリーを展開しています。
Holiday ♪試聴(MP3)
「休日が始まるけど、何しよう。何か楽しいことはないかな」と両親に話す少年の声と笛の音のコラボレーション。さすがにこれは、ライブでは再現できませんね。なぜなら・・・少年の声の正体は、5歳の私ですから。
TOOL BOX
子供の頃、実家のガレージにあった工具箱をよく持ち出しては、外で工作に耽っていたものです。慌ただしいメロディが、それをガチャガチャひっくり返した様子を想わせます。その古ぼけた赤いブリキ箱に書いてあった文字が“TOOL BOX”
SORA -空- ♪試聴(MP3)
空って、刻々と変化を続けてますよね。色彩も雲の形も二度と同じものはない。いつでも見上げれば見られるのに、その表情は、瞬間の芸術のように貴重に感じられます。この曲のみセルフ・カバーになりますが、今回はボレロ風の淡々としたリズムにNAOTOさんの素敵なストリングス・アレンジが加わって、でっかいでっかい空になりました。村上聖さんのベースソロも絶品です。

プロモーションビデオ

表題曲「SORA」(ノーカット)


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