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(2005/9/5)

九月に入りました。

光が丘の夕暮れ

日中、セミの鳴き声を聞きながら 「まだまだ夏だなぁ・・・」と汗を拭き、
夕暮れから涼しい風がカラダを撫でると、
セミと入れかわる様に耳にするのは コオロギ達の”虫の音”。
こんどは秋のおとずれを感じます。

お天気も忙しい。

今日も昼間は「残暑で蒸し暑いザンショ」 なんて思っていたら、
夕方からの豪雨! ライブハウスへの楽器の搬出入で、雨ビッショリ。
で、深夜の今はというと小雨、ポタポタ・・。
その雨音の隙間から聞こえる虫の音、リリリリ・・。

穏やかで静かな夜にも耳を澄ませば、
いろんな音が聞こえてきますね。まるで音楽会。
私がそんなイメージで書いた 『夜会(やかい)』という曲があります。
そこでは「凪た海と月あかり」とか「木や土の臭い」とか、
いろんな妖しさが音を奏でてたりします。



話は戻りますが、 私は日本の夏の象徴「セミの鳴き声」を聞くと、、、
特に夏の終わりに聞くと、少し切なくなります。

セミって、幼虫として地下で生活する期間はなんと3〜17年!
なのに成虫として、太陽の下で生きられる期間は わずかに1〜2週間。
この事実を知ったのは、セミ取りに興じていた少年の頃。
それ以来、私はセミを取らなくなりました。
その姿が、あとわずかの時間を精一杯生きるべく
持てる力をふりしぼって鳴いているように見えるからです。

豪雨の後だからこそ、夜がより穏やかに感じられる。
セミの声が大きかった夏ほど、その終わりが寂しくなりますね。



「激しさ」がある方が「穏やかさ」に気付くなって思います。
「汚」があるから「美」をより美しく感じる。
「光」の中に何かが存在すれば、そこには必ず「影」が生まれます。
「暗」があることで「明」がより際立つ。
「冷」と「暖」の温度差が空気の流れを生み、風をおこす。

私は「穏やかで」「美しい」ものが好きですが、
ココロは「邪」や「悪」だらけです。

音楽をやっていて最近思うことは、
自分に正直であることの難しさ。
自然体で音を出せる人間になりたいんです。

体裁重視のキレイなだけの音楽やドラムはつまらない。
不自然な演奏になるなら、無理しない。頑張らない。
自分の中にある「汚」も「激」も「怒」も「陰」も
全部ひっくるめて奥行きを表現できる、
そんな正直な音楽家になりたいです。

お天気がコロコロ変わるから、
そんなこと、ふと思いました。

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